3)証紙貼り、告示後に手作業

写真・図版2015年4月23日05時00分朝日新聞
ビラに1枚ずつ証紙を貼っていく=静岡市 
 静岡市長選も、まだ序盤だった今月1日。新顔候補の選挙事務所で、5人の支援者がテーブルを囲んだ。

 手元には「選管」と書かれたシールと、候補者名や政策が並んだビラ。「証紙」と呼ばれる指先ほどのシールを台紙からはがしては、ビラに貼る。ポスターが貼られたガラス張りの壁の向こうには、広がる青空。告示から4日間続けているが、終わらない。

 「これ、全部で何枚貼るの?」。女性支援者が尋ねると、「7万枚」と隣の人。彼女は驚き、思わず聞き返した。「事前に印刷しておけないの?」

 首長選などでは、選挙期間中は有権者にビラを配ってよいと公職選挙法で定められている。ビラのばらまきでお金がかかりすぎないように、選挙区内の人口に応じて上限がある。北海道知事選なら26万5千枚、政令指定市以外の市長選は1万6千枚だ。

 だが、証紙を貼るのが条件。上限より多く配らせないためだ。告示日に各地の選挙管理委員会で受け取るので、事前には貼れない。

 初めての証紙貼りを体験した支援者たち。「貼らないとダメなんて知らなかった」「なんで今どきこんな地道な作業を?」。そうボヤきながらも、手は休めない。事務所の隅では山積みのビラが「出番」を待っていた。残り4万5千枚!

 (佐藤恵子)

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