●投票しない理由は?

朝日新聞の昨年末記事は大変参考になると思います。引用してみました。投票行動判断の立ち位置としてアベノミクスが争点になるかどうかを選ばせた上での投票に行くか行かないかをパターン化したものです。
 是によるとアンケート調査の結果と実際の投票行動には大きな開きがあり(関連記事はこちら)問題の性質が複雑であることが覗えます。

 

朝日新聞デジタルに設けた衆院選の投稿マップには、12日夕までに約1300件の意見が寄せられた。「投票しない」も約70件あっ写真・図版た。なぜ権利を捨ててしまうのか。理由を探った。

 12日午後、東京・渋谷のスクランブル交差点。年代別で投票率が最も低い20代に尋ねた。

 「政治のことをよく知りもせず、無責任に投票するぐらいなら、しない方がいい」。ライブを見に仙台市から来たアパレル勤務、別府佑哉さん(25)は棄権するつもりだ。土日は仕事で、期日前には行く気になれなかった。新聞はとっておらず、ニュースは自分の関心がある内容だけをネットでみる。消費増税で服の売り上げは前年より減った。それでも、政治は遠いと感じている。

 ハチ公前にいた都内の男子大学生(22)は、閣僚の政治資金問題をめぐる国会の議論が「揚げ足取りばかりだ」とあきれた。「投票には全く行く気になれない」。メーカーへの就職が決まった。国の借金の増加は気になるが、政治には期待しない。自分の生活は自力でなんとかするつもりだ。「徴兵されるとか、暮らしが変わりそうな時以外は投票に行くつもりはありません」

写真・図版 投稿からは、「選挙のことしか考えてない政治家にうんざり」「入れたい政党がない」といった政治不信や失望感が浮かび上がる。

 「投票できるなら、防災対策を重視する」と投稿した関西大2年石原滉平さん(19)。投票日より誕生日が11日遅く、初投票はならなかった。面倒だなどの理由で行かない人には「与えられた権利を大事にしてほしい」と訴える。「期日前投票の場所を増やすなどすれば、投票率はあがるのでは」とも提案した。(斉藤佑介、吉浜織恵)

■「自由で民主的な選挙は素晴らしい」

 僕は在日韓国人で、選挙権はありません。でも、自分が住む日本に貢献したくて、若者の投票率を上げる活動をしています。

写真・図版 投票率が上がっても、政治はすぐには変わらないでしょう。でも、多くの若者が政治に関われば、少しずつ変わっていくはず。

 日本では忘れられがちですが、自由で民主的な選挙は素晴らしい。香港では、民主的な選挙を求めて若者たちがデモをしました。

 彼らに日本の若者の投票率が低いことを伝えると、心からのメッセージを語ってくれました。「民主主義を求め闘う香港の若者から日本の友へ」(https://www.youtube.com/watch?v=Zrw_TDfVkC4別ウインドウで開きます)。動画を作ってネットで公開したので見てください。

 「私たちは闘わなければ民主主義を得られません」「自分でリーダーが選べるのは貴いことです」「あなたのために、未来のために投票しましょう」

投票権があることは、素晴らしい。ぜひ、その権利を行使してください。

 日本で同世代の友人たちに聞くと、選挙に行かない人は「めんどくさい」「1票じゃ何も変わらない」などと言います。確かに、1票じゃ変わりません。でも選挙の結果は、その1票1票が積み重なって決まります。一人ではなく、みんなが参加して決めていくものです。

 僕は海外を旅しているときに、政治を熱く語る同世代の人々と出会い、日本の若者の政治的関心の低さに問題意識を持つようになりました。在日韓国人の僕がこういう活動をしていると、ネットでは「お前が言うな」などと批判を受けることがあります。

 それでも、投票することの大切さを訴えたい。香港の若者たちが一生懸命語ってくれたように。(古田大輔

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